送別会は幹事の頑張りもあってか大勢で、部屋にびっしり詰まっている。
場所は石橋さんの家が和食屋ということもあってそこになり、大広間を貸し切った。
皆乾杯が終わると早速席を立って違う席へ絡みに行ってしまう。
カラオケ大会も始まった。
陸上部二年の女子は、料理を運んだり飲み物を注いだりと接待中心で働いている。
たとえお酒が無くともノリでここまで盛り上がれるのもすごい。
私と理乃は皆を見ながら端に座って静かにジュースを飲んでいた。
チラッと横目で理乃を見るとボーッとしてる。
最近ずっとこの調子。
私だって心配なんだよ。
「理乃さ、私って友達だよね?」
「何よ急に」
黙ってる事ができなくて理乃に向き直る。
真剣な私に驚いて理乃もコップを置いてこっちを向いた。
「悩んでる事あったら言ってよ。何のための友達?私ってそんなに頼りない?」
「莉子……」
私の勢いに理乃も黙って俯く。



