キミの一番になりたい

 
話が全く見えなくて私はただ颯を見つめるだけ。


いや、マヌケな声を出した時点で顔もさぞかしマヌケ顔だろう。




「行ってもいいけど、心配だから俺の傍から離れんな」


「颯……」



私の考えてる事わかっちゃったんだ。



あんまりストレートな言葉を口にしない颯が私のために言ってくれた。


それだけで十分。



「うんっ!傍にいる!」



そう言って颯に思いっきり抱きついた。







……黄色い声が響き、冷やかしの言葉と、顔を赤くした颯が席を立ってしまったのは言うまでもない。
















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「……では、これより三年生の送別会&永瀬クンの優勝おめでとう会を始めたいと思います!」


「「かんぱーいっ‼」」


みんなの声とグラスの音が一斉に響いた。