キミの一番になりたい

 
「……いいんじゃん?」


「本当!?」



こうもあっさり許してくれるとは思ってもみなかった。


だって周りにからかわれることが目に見えているから。



颯はまとわりつかれるのが嫌いだ。


だから来るなって言うと思ったのに。



机に伏せて寝ていた颯はチラッと目だけを私に向けた。


眠りを妨げられたからなのか、片目しか開けるつもりはないらしい。



そんな颯は私があまりにも信じられないような顔をしていたからだろうか、ちょっと不機嫌になる。




「別に莉子の自由だろ。俺にとやかく言う権利ない」


「それはそうなんだけど……」



機嫌悪くしちゃったみたい。


私に背を向けてしまった颯の背中を見て悲しくなる。



そりゃあ、『来んな』なんて言われてヘコむつもりだったからOKで嬉しい。



でもちょっとくらい心配してくれてもいいんじゃないの?


男子だっていっぱいいるわけだし。





「はぁ~、わかったよ」


「へっ?」



颯がいきなり起きだしてグッと背伸びをした。