キミの一番になりたい

 

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「うわーっ。ここのケーキすごく美味しいんだけど」


理乃の嬉しそうな顔を見て私も一口食べてみる。



「本当だ。美味しい」



理乃はチーズケーキ、私は苺のタルトを頼んだんだけど甘すぎない所が自分には合う。

甘党でない私としてはここのケーキ屋は丁度よかった。


それに雰囲気もいいし、ここ絶対デートコースになるな。


私の予想通りすでにちらほら制服カップルがいる。

これで私のおごりじゃなければ尚更美味しかったんだけど。


財布から出ていく千円札を思うとクスンとなる。


バイトしようかな……なんて考えていたら、


ーーパクッ


「あーっ!それ!」



理乃にタルトの上の苺を食べられてしまった。


最後に食べようと思って残しておいたのに。



「ボケーっとしてる方が悪いのよ」


理乃は口の中で私の苺を堪能している。