そのままリボンを解いて箱を開けると、中には白と茶のトリュフチョコ。
その内の一個を取って口に放った。
内心ドキドキの私。
颯は、指を舐めながらそんな私をチラッと見る。
「美味い」
「ホント？」
「あぁ。だから自信持て」
「うんっ!」
そして颯は残りのチョコをその場でどんどん食べていく。
甘すぎないように気をつけて正解だったみたい。
零れそうな笑みを必死に保って、私はその姿をずっと眺めていた。
「……でさ、質問なんだケド、他の子にもバレンタイン、貰った？」
帰り道、仲良く手を繋いで帰りながらどうしても聞きたいことがあって口を開いた。
これを聞かないと眠れなくなりそうなんだもん。
「バーカ。彼女いるのに貰うわけないだろ」
「そ、そうだよね。あ～よかった!」
私だけしか貰っていないことに安心する。
……そんなこんなで、一波乱ありつつも初めてのバレンタインを終えることができたのです。
