キミの一番になりたい

 
ーーカチャッ


あ、れ?もしかして……



ゆっくりドアを押すと鈍い音を立てながら開いた。

たぶん古くなっていたからだと思う。



自分の馬鹿力さに驚いたけど今は緊急事態。

急いで競技場まで走った。
















「この荷物あなたのですか?もう皆さん帰っちゃいましたよ?」


「……ありがとうございま、す」



すでに大会も終わり、係の人が後片付けをしていて選手も観客さえもいなかった。



だから終了してから三十分以上は経っていたんだと思う。



私は掃除をしていた係の人に置いてあったバックと紙袋を受け取る。


シーンとした周囲にお礼さえもまともに言えなかった。






見れなかった。

一世一代の大舞台を見逃すなんて……


疲れているし、颯はもう帰っちゃったかな。


重い足取りのまま私は出口へと向かった。