キミの一番になりたい

 
「で、どこ行ってたの?」


少しの沈黙の後、座席表を見ながら冷ややかな声で私に問う理乃。



「ん―、屋上にいたらいつの間にか眠っちゃって」


そんな理乃に気づいていない振りをして、話ながらふぁ~と大きな欠伸をした。



「本当にそれだけ?」


「何?急に」


理乃の鋭い指摘に目が泳ぐ。



「何か私に隠してるでしょ?」


「べ、別に」



目を合わせないで答える私はバレバレだったのかもしれない。


しかし、やがてやれやれとでも言いたげに理乃はため息をついた。



「まぁ、いいわ。この後じっくり聞きますから」


「え゛、この後って?」



嫌な予感がして、私は恐る恐る聞いた。



「部活もないし昨日言ってたケーキ屋行くから。もちろん莉子のおごりで。そこでじっくりと話聞くからね」


「えぇー‼」



そのまま私は理乃に駅前まで連行されたのでした。