必死でドアの向こうの相手に訴える。
「あなたにはわからない。私がどんな気持ちで颯を支えてたか」
「それって、どういうこと?」
坂野さんの言葉に疑問を浮かべる。
そんな私に坂野さんはゆっくりと語りだした。
「私と颯と真穂は幼なじみで、三人とも仲良しだった。真穂と別れた時もずっと傍で励ましてた。私も颯が好きだったから」
知らなかった。
坂野さんも颯の幼なじみだったんだ。
辛かっただろうな。
自分も幼なじみで好きなのに颯が選んだのは真穂さん。
「だけどあなたは私から颯を奪った!颯をずっと支えていたのは私なのに横からあっという間に!
どうして?私はずっと颯だけが好きなのに」
「…………」
感情的に叫ぶ坂野さんに何も言えなかった。
叶わない恋ほど苦しいものはない。
「私はあなたを許さない。絶対認めないんだから!」
そう言って足音が遠ざかっていく。
私は途方に暮れてその場に座り込むしかなかった。



