明かりがつくと、ここ数年は誰にも使われなかったであろう部屋が現れる。
テーブルもロッカーも鏡さえも埃でいっぱい、たぶん物置になってしまったのだろう。
足の踏み場もないくらい段ボールも積まれている。
私はむせ返るような臭いに鼻と口に手をあてた。
何なのここ。
颯は何でこんな所に私を呼んだのだろう?
そう思いながら奥へと足を進める。
ーーバタンッ
「えっ!?なに!!?」
振り向けばドアは閉まっている。
「少しの間、ここでおとなしくしてな」
この声…
「またあなたたち?どういうつもりよ!?」
「あんたが邪魔なの。こんな所に誰も来ないと思うけど精々頑張って助けを呼ぶことね」
「ちょっ‼ウソ……開かない」
急いで開けようとしたけどドアはびくともしなかった。