「…………」
颯からそっと離れて顔を覗く。
あれ?反応なし?
結構恥ずかしいの我慢してキスしたんだけど。
颯は微動だにせず固まっている。
「……颯?」
恐る恐る話しかけた私の声に、ハッと我に返ってこっちを見る。
「不意打ちすんなよ……」
颯の顔はみるみる赤くなっていく。
外方を向いて気づかれないようにしたみたいだったけど。
私はそれを見て何だか可笑しくて笑ってしまった。
照れてる颯なんて滅多に見られないから。
たまにはこんな事してもいいのかもって思った。
「じゃあ行くから」
「いってらっしゃい。私はここで見てるね」
「あぁ」
颯はやわらかな笑顔を向けた後、グラウンドへと走って行った。



