キミの一番になりたい

 


……そしてバレンタイン当日。



「間に合ったぁ~」




大会開始五分前。


なんとか徹夜で作って競技場まで来ることができた。



流れる人込みから外れて人目の少ない建物の裏へ。


鏡を取り出して最終確認!



颯にはクマなんて見せられないから、かなり気合いの入ったメイクをした。


本当はナチュラルメイクで行こうと思ったんだけど、化粧濃いって言われたらどうしよ。



そんな不安も抱えつつ、私は持っていた紙袋に目をやった。




今日はいろんな意味で勝負になるだろう。


颯の大会の勝負。


私の初手作りチョコの味の勝負。



そして、今日はバレンタインだからチョコを持った颯のファンも応援に来ている。


昨日学校で渡した子もいるかもしれない。



颯に会っていないからチョコとか受け取ったのかさえわからない。




しかも私はバレンタインを忘れていたから、颯にチョコの好き嫌いとか聞いてなくて自分の思うイメージで作ってしまった。



そんないろんな悩みが渦巻きつつも、彼女たちとの勝負が待ってる。





私は鏡をしまい、大きく深呼吸をして競技場の中へ入っていった。