キミの一番になりたい

 
不思議な顔をしている私に気がついたのか、思い出したように理乃が手を打つ。



「あぁ、言い忘れてた。今日のLHRで席替えしたんだった」


「うそーっ‼」



思わず机を叩く。


そんなの一言も聞いてないし。

あー、せっかくの一ヵ月に一度の楽しみがぁ……。




しょんぼりしていると、理乃がポンと肩を叩いた。



「今回は平等にくじ引きにしたんだよ。だから心配することないって」


「じゃあ、私の引いたのって?」



恐々聞いてみると、


「もち、私ッ!」


「やったー!理乃さすがだよ!」



私は地の底から一変、天に昇る気持ちになった。


だって毎年正月のおみくじは大吉を引くし、常にジャンケンにも負けない理乃だよ?

クジだって絶対良い席に決まってる。



「で?私の席は?」


「座席表見てみなよ」