キミの一番になりたい

 
恥ずかしい事を恥ずかしげもなく言うから免疫なしの私は照れてばかりだけど、今は感想が知りたい。


でもワクワクしながら聞いても、颯は私の言葉をかわしてほどいていく。



そりゃあ『うまい』なんて言われて嬉しくないわけないんだけど、それでも朝早く起きて頑張った成果を誉めて欲しいんだもん。


ムッと膨れていると髪をクシャクシャにされた。




「いつも俺の健康に気をつけて作ってくれてありがと」



改めて私の目を見てしっかりと話してくれた颯に、俯いて『うん』としか言えなかった。


その一言で機嫌が直る私って子供かも。



いじられた髪を直しつつ私もお弁当を広げ始めた。












「ごちそうさま」


「どうだった?」


「旨かった。特に焼き鮭が」



結局私の我儘を聞いて答えてくれた。


でも明日も頑張って作ろうってやる気が出たのは確かだ。





「……俺さ」



満腹になったお腹を擦りながらウトウトしていると、颯が真剣な声で呟いた。