キミの一番になりたい

 
「俺、本当は独占欲強いのかも。あいつ等といるだけでムカついた」



ヤキモチ焼いてくれたの?



「今日はずっと一緒にいろよ」


「……うん」



ポツリと呟いた言葉は私の体温を上昇させる。


不意打ちだよ。



そんなストレートなこと言われ慣れてないから恥ずかしい。



付き合い始めてから颯の知らない一面を見るようになって、戸惑うこともしばしば。


口数は今でも少ないけど、私を不安にさせないように思ったことを言ってくれる。



その気持ちはすごく嬉しい。


今もそのためだけに授業をサボって傍にいてくれるのは本気で嬉しかった。








その後も言葉はないけど幸せな時間だった。


むしろ私たちに言葉は必要なくて、相手が隣にいてくれるだけで十分なんだ。





あ~あ、朝から屋上なんて久しぶり。


そういえば最近ゆっくりこうして二人で屋上にいることがなかったかも。




穏やかな風とポカポカとした陽射しで気持ちも安らぐ。



空を見上げればヒコーキ雲がうっすらと残っていた。