「颯のトコに行く途中だったの」
指を屋上のある上へ指して説明した。
「そしたらあの人たちに捕まっちゃって」
「…………」
颯は黙って少し考えると私の手を引いて歩きだした。
「颯?」
いつもの無表情な顔から何も読み取ることができず、不思議に思い尋ねた。
「今日は休む」
「えっ!?でも授業……」
「欠席」
そう言い切って私に振り返ることなく歩き続ける。
そして辿り着いたのは今し方行こうと思っていた屋上だった。
そのままいつもの場所で颯は横になってしまう。
状況が飲み込めなくて私は立ち続けたまま。
どうしてここにきたの?とか、何で授業出ないの?とか。
聞きたいことは頭の中でグルグルしてる。
「座れば?」
だから私は颯の言葉に従っておとなしく隣に腰を下ろした。



