キミの一番になりたい

 
「颯……」



振り返って愛しい彼を確認しようとする前に後ろから抱き締められる。


その重みがとても心地よい。




「心配した」



それだけで視界が歪み始め、切ない声に胸がギュッと締め付けられた。




「どうしてここにいるのわかったの?」



抱きしめてくれている手に自分の手を重ねた。


私の手より大きい颯の手。


いつもは恥ずかしくてできない事も今ならできる。




「いったん教室に帰ろうと思ったんだよ。そしたら莉子の声がした」


「ゴメンね?」



顔を上げて見上げれば頭を颯の頭でコツンとされた。



颯の顔が近くて、目が合って自分の頬が自然と染まっていくのがわかる。


たまに大胆な行動をするからドキドキが止まらないよ。




「許す。で、何でこんな所にいたんだよ?」