「ふざけないで」



いきなりそんなことを言われて『はい』なんて言うバカはいない。


むしろ嫌だ。




「アイツ気に入らねぇんだよ。いつもサボってるから仲間にしようと誘ったら断りやがって、ムカツク」



たったそれだけの理由で?


バカらしくて何も言えない。



不良たちはそれを思い出して近くにあったごみ箱を蹴飛ばした。



ーービクッ


その音に反射的に体を縮めていると、ごみ箱が転がり中身が廊下へ散らかる。




「だからお前のこと滅茶苦茶にしたいんだ。アイツどんな顔するかな」


「……っ‼」



話を聞いて途端に背筋がゾクリとして体が震える。

怖くて声すら出ない。



それを面白そうに見て笑うそれさえも私の恐怖を煽った。