「もっりさきー」
階段を上っていると声をかけられたので顔を上げれば、三人の男子が階段を降りてくる。
げっ……、こいつらうちの学校の不良グループだ。
いったい私に何の用?
彼等は私の前に立ちふさがると、ニヤニヤしながら全身を舐めまわすように見てくる。
傍まで来ると煙草の匂いが嫌でも鼻についた。
「わ、私に何の用?」
逃げ出したくなる気持ちを押さえて精一杯声を出す。
それでもニヤニヤ目つきは変わらなくて。
今までこんな人たちと話したことがないからどうしたらいいか戸惑う。
最悪なことに一時間目が始まってしまって誰もここを通らない。
早く用件済ませて屋上に行かせて!
そう心の中で願った時、
「お前さ、永瀬の彼女なんだって?」
「だから?」
「俺等とも遊んでくれよ」
――……っ‼



