顔が赤いのを寒さのせいにして、必死に気持ちを落ち着けて会話をしていた。
颯は私のドキドキに全く気がついていないからホッとしてるけど。
でもこんなことが日常茶飯事で私の心臓はドキドキしっぱなし。
そして……学校では違う意味でドキドキしっぱなしだった。
「おはよ~」
下駄箱へ行くと一足早く理乃が来ていた。
「出た、名物カップル」
「やめてよ、その呼び方」
「だってホントの事じゃん」
私たちが付き合いだしてから学校では瞬く間に噂が広がった。
何でかわからないけど、たぶん颯が人気だから。
無口で他人とつるまないトコが結構ポイント高いらしい。
しかもイケメン顔だし。
以前も颯のことで私に絡んできた女子がいたのを覚えてる。
男子も珍しそうに私たちを見ていた。
こんな調子で一緒にいるだけで、視線が集まるから颯は度々屋上に逃げていた。



