「……莉子はそれでいいのか？」
「うん……」
圭太の顔を見れずに頷いた。
今顔を上げてしまったら弱音を吐いてしまいそうで、圭太に甘えてしまいそうで。
「わかった。でも……」
私の肩に手が置かれる。
「俺はずっと莉子の味方だから」
その言葉にハッとして顔を上げると、いつもの圭太の笑顔がそこにあった。
ごめんなさい、好きになってくれたのに。
ごめんなさい、好きになれなくて。
ごめんなさい、いつも傍にいてくれたのに。
だけど。
ありがとう、圭太の気持ち大切にするからね。
「ごめんね、圭太。ありがとう」
私は精一杯の気持ちを込めた。
「じゃ、俺行くから。颯なら……きっと来るよ」
「うん、待つよ」
圭太は私に背を向けて歩いてく。
