「……俺なら、莉子にそんな顔させない」
圭太の右手が私の冷たくなった頬に触れる。
ただでさえパンクしそうな頭をゆっくりと上げて圭太を見つめた。
その瞳は何かを決心してるようで。
「好きなんだ。俺なら絶対莉子を悲しませるような事はしない」
言い終わったと同時に圭太は私の腕を引いて、自分の腕に閉じ込めた。
「ごめん」
私は圭太の胸を押してそっと離れた。
「私はやっぱり颯が好き。だから信じてる」
いろんな事を考えたけど、思うことは一つしかない。
真穂さんのことも何か理由があったのかもしれないから。
それを颯の口から聞くまでは信じない。
どんなことがあっても私は颯が好きなんだ。
その気持ちだけは変わらない。
きっと一生変わらない。



