キミの一番になりたい

 


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先程のまで出ていた陽射しはなくなり、空は厚い雲に覆われ始めていた。



「……寒ーいっ!」



赤くなった手の甲を擦り合わせる。


駅といっても大して大きくない駅なので寒さをしのぐ場所はない。



待ち合わせ時間になっても現れない颯を待って、外にずっといたため体は冷えきっていた。





颯、遅いなぁ。

もしかして何かあったのかな。



時計を見れば13時を過ぎていて。


メールは一時間前に送ったけど返事はない。


待ち合わせからすでに2時間以上が経過していた。






「……莉子?」



呼ばれて振り返れば驚いた圭太がいた。



「お前ど、して……」


「えへへっ。実は颯と待ち合わせなんだ」



話し相手ができて心が弾む。


困惑している圭太に気づかずに私は嬉しそうに話していた。



と、私を見ていた圭太が何かに気づいて近づいてくる。


圭太は赤くなった私の手をそっと両手で包んだ。