顔を上げれば、優しく笑う颯が頬に流れる涙の跡を指で拭ってくれた。
「怒鳴ってゴメン。不安にさせてゴメンな?」
私は黙って首を振る。
自分が勝手に不安がって気持ちぶちまけて。
それを颯は受けとめてくれた。
「ちゃんと莉子の事考えてる。どっか行こうって誘ったのも俺の意志」
「……! 何で知ってるの!?」
私の心を見透かすような言葉にただ驚いた。
それを聞いて颯もはぁ~と大きなため息を吐く。
「そんなことだろうと思った。俺言葉少なくて伝わりずらいと思うけど……」
「ううん。私こそ一人で不安がってごめん」
そして颯はもう一度私を力強く抱き締めてくれた。
それだけで安心感が体中に広がっていく。
「今度の日曜日、11時に〇〇駅で。その時にはっきり答えだすから」
颯の腕の中で、颯の決心した声だけが耳に届いた。



