「ご、ごめん」
私は慌てて颯の側に寄る。
背を向けた颯の袖をちょんとつまむと手をしっかりと握られた。
その手が温かくて自然に頬が緩む。
「おはよ」
「おう」
私たちは改めて挨拶を交わして学校へと歩き始めた。
「おっはよーっ!」
靴を履き替えていると遠くから理乃が走ってきた。
「見たぞ~朝からアツい事」
「ちょっ!?理乃ってば!」
さすがに周りの生徒に聞かれるのは恥ずかしい。
上履きに履き替えるのも忘れて理乃の口を塞いだ。
それを理乃は気にせず私を押し返す。
「私のおかげなんだから、感謝しなさいよね?」
理乃が意地悪な笑みを颯に向ける。



