いつもと変わらないと思っていた日常。
それが変化したのは一週間前のこと。
私は新たな気持ちで新年を迎えていた。
そして今、多くの人で賑わいを見せている近くの神社に来ていた。
年も明けお参りのためにたくさんの人が参拝したり屋台を覗いたりしている。
その人込みに負けないように私は待ち合わせである鳥居へと向かっていた。
あ、いた。
少し気怠そうに柱に寄りかかっている颯が見える。
ほんの一週間会っていないだけなのにその端正な顔立ちに釘づけになった。
「ごめんね、待った?」
私の声でゆっくりと顔を上げた颯は一瞬目を見開いた。
「……行こう」
すぐに視線をそらして神社の中へ入っていく。
私はその後を急いで追いかけた。
付き合って初めてのデート。
誘ったのはもちろん私から。