だけどそれでも好き。


好きなんだよ、颯。






「……私、最初は興味半分で屋上に行ったんだ。そこで颯に会って、話して、一緒にいるうちに心がね温かくなっていくのを感じたの。
一つ一つの優しさが嬉しくて、一つ一つの行動にドキドキした。それで気がついたんだ。私はあの日颯に会った時からもう好きになっていたんだって」



話していくうちに視界が涙で歪む。


颯は何も言わないし、涙で表情が見えない。




「前よりももっと好きになった。
もし嫌いじゃないなら私の事を見てほしい。ほんの少しでも可能性があるなら私にチャンスを下さい」





涙が頬を伝った。















「俺は……」