「私、やっぱり颯が好き」
下げていた頭を上げて、私を見る颯に精一杯の気持ちを込めた。
まさか私がまた告白するとは思ってなかったのか、一瞬驚いた後私から目をそらした。
「俺のこと諦めたのかと思ってた」
「そんな半端な気持ちじゃないよ!」
私の言葉をまだ信じてはいないようで、次に発する言葉を考えているようだ。
「まだ元カノのこと引きずってるの?」
「そうじゃない」
無意識に颯の袖をぎゅっと掴んだ。
正直、不安だったんだ。
あの日、真穂さんといるのを見てどうしようもなく嫉妬して。
誰にも渡したくないって思った。
でも私なんか一度振られてるし、もうだめなんじゃないかって何度も悩んだ。



