私の言葉を遮り空を見上げていた視線を私に向ける。


その瞳は困ったような辛そうに感じて私まで胸が苦しくなって、何も言えなくてただ真っすぐと見つめ返していた。





「あの日、莉子の後を何で追いかけなかったのか」


「……っ!だってそれは風邪をひいてたんだから……」


「そういう問題じゃない。俺は追いかけるべきだったんだ」



まるで自分にも言い聞かせているみたい。


颯がどれだけ私のことを心配してくれていたのか伝わってきて涙が溢れそうだった。




「ごめん。看病しに来てくれたのに」



体を私に向けて頭を下げる。



あぁ。

どうして彼はこんなにも優しい人なんだろう。


自分は風邪で苦しんでいたというのに。



こんなにも私のことを考えてくれていたのかと思うと嬉しくて幸せでたまらない。






私……もう止められない。