久しぶりに見る颯の横顔は少し痩せたように感じるけど、でも瞳の奥はしっかりとしていた。



「またせてごめんな?」



そう言って、私の頭に薄く積もった雪を払い除ける。

それだけで胸がドキドキして体温が上昇した。


颯はそんなこと全く気づいてないと思うけど。




「ううん、私こそ呼び出してごめん。風邪、もう平気?」


「あぁ。心配かけたな」


「よかった」





話せて嬉しいはずなんだけど、今日はいつもの状況とは違うからぎこちなくなる。



当たり障りのない会話はやっぱり続かないらしくて、次の話題が見つからずお互いに黙ってしまった。



私が話があるって呼び出したんだから言うべきだよね。


屋上に長居してたらまた風邪がぶり返しちゃう。



大きく深呼吸して冷たい空気が肺いっぱいに行き渡る。


それで意識がはっきりとして肝心の本題に入ろうとした。





「あの……」

「俺さ……、ずっと後悔してたんだ」