眠っていた私にまた学ランがかけてある。
私はガバッと起き上がって永瀬君を見つめた。
「……何?俺に何か用?」
永瀬君はこっちを見ずに遠くの方を見つめて聞いてきた。
「あっ、えーっと……」
何て言ったらいいかわからず口籠もっていると、
「……それ」
「へ?」
永瀬君は私の持っている紙ヒコーキを指差した。
「それ、俺が飛ばしたやつ」
じゃあ、やっぱり。
「やっぱり紙ヒコーキ飛ばしていたの永瀬くんだったんだ!」
永瀬君は何も言わず興味なさ気に寝転がって目を閉じる。
「ねぇ、何で紙ヒコーキ飛ばしていたの?」
「…………」
やっぱり一言も答えてくれない。



