屋上のフェンスに寄りかかって遠くに見えるイルミネーションにさらに気持ちが沈んだ。



吐き出す白い息は、私の寂しさを表すかのように口から出てきてはあっという間に空気に溶け込んでいく。




って言うか、いつまで人のこと待たせるつもりよ。



圭太に呼び出されたものの当の本人がいつまで経っても来ず、すでに三十分が経とうとしていた。


さすがの私もこの寒い中待たされればイライラしたくもなる。



何だか無性に叫びたくなってフェンスに身を乗り出して力いっぱい叫ぶ。



「いつまでも待たせるなーっ‼」




はーっ、スッキリした。

少しだけ胸の支えがとれたかも。


さてと。寒いし自販機で温かいココアでも買ってこようかな。



そう思って踵を返したときだった。



「――……っ!」



息が止まるかと思った。


ドアの前には思いもよらない人が立っていたから。









「悪かったな。待たせて」