「付き合ってないし!」
「は?……でも、好きなんだろ?あいつのこと」
しれっと発言する圭太にボッと顔が真っ赤になる。
「それは……」
そのまま私は俯いた。
だって私の一方的な片想いなんだもの。
この恋に未来なんて見えない。
と、ふいに頭に大きな手がのせられた。
「後悔だけは絶対するな」
力強い声とは裏腹に、優しい圭太の手の温もりが伝わってくる。
「俺はいつでも莉子の味方だから」
暖かくて心のこもった圭太の言葉に涙が出そうだった。
圭太が私の背中を押してくれている。
それなら私は進むしかない。
たとえダメだったとしてもいいじゃない。
何もかもがうまくいく人生なんておもしろくないじゃん。