ふと自分の姿が映るショーウィンドウに目がいった。


別に自分の惨めな顔を見たかったわけじゃない。



その奥でキラリと輝く石に意識が向く。


小さなブルーの箱に入ったシルバーの指輪。

淡いピンクの花がついていてとっても可愛い。




いーなぁ。


私にもクリスマスに相手の一人もいれば指輪だって指にはめられたのかな。



そんなことを考えながら、何もついていない左手の薬指を見てため息を吐いた。




「なんか欲しいのあんのかよ」


「うわっ!?圭太!」



私の後ろからひょっこり現れた圭太がショーウィンドウの中を覗く。



「な、何でもない。何でもないよ」


「んな慌てる事ないだろ。お前、顔に出しすぎ。
……それ永瀬に頼めばいいじゃん」


「へ?何で颯!?」


「だって付き合ってるんだろ?」



突拍子もないことを言う圭太に、驚きすぎて瞳が大きくなる。