颯にお粥を食べさせ、薬を飲ませると薬が効いてきたのか今はぐっすり眠っている。
よかった。
顔色もいいし、熱もだいぶ下がったみたい。
額のタオルを水に浸けて絞りまた額にのせる。
そうだ。
寝ている間に何か買ってこよう。
冷蔵庫の中には具材があまり入っていなかったのを思い出して立ち上がる。
「ちょっと出かけてくるね」
小声で寝ている颯に話しかけ、私は財布だけ持って部屋を後にした。
買い物を終え両手にスーパーの袋を持ちながら、私はエレベーターが来るのを待っていた。
今し方誰かが使ったのだろう5階の所でしばらく光った後、だんだんと下に降りてくる。
――チーン
という音とともに扉は開き、私はよいしょっと袋を持ち直して乗り込んだ。
ちょっと買いすぎちゃったかな。
でも、冷蔵庫の中ほとんど何も入っていなかったし、これぐらいはあった方がいいよね?
出てきてから時間経ってるしそろそろ颯も起きたかな?
そんなことを考えながら颯の家のドアを開けようとした。



