キミの一番になりたい

 
うん。とは言ったものの実際はあんまりできなかった。


つい颯の寝顔を見ていたら、あっという間に時間が過ぎちゃったんだよね……



そんなことも言えず、前を歩きだした颯を小走りで追いかけた。





「いよいよ明日だね。自信は?」


「苦手な国語は最終日だし、明日はたぶんなんとかなる」


「うん、大丈夫。今まで頑張ってきたんだし、私が教えたんだからバッチリだよ!」


「自慢かよ」


「へへっ」



私は悪戯っぽく笑った。


それにつられて颯も口元を緩める。




「でも、莉子には本当に感謝してる。サンキューな?」


「え、あ、うん……」



真面目にお礼を言われてちょっぴり恥ずかしくなって下を向く。



チラッと目だけで見上げると、ほんの少し颯の頬が赤いのは私の気のせい?


照れてる颯もかわいいかも。