キミの一番になりたい

 
「待ってる」



なんと鞄を机の上に置いてまた椅子に座ってしまった。



「だって家に帰って休んだ方が……」

「ここでも寝れる」



私がいくら話しても聞き入れず、とうとう机にうつ伏せになって寝始めてしまった。



こうなってはどうすることもできない。


……頑固なんだから。




私は説得を諦めて大人しく自分の勉強に取りかかった。












――キーンコーンカーンコーン


やばい、もう帰らないと。




「颯、起きて。そろそろ帰ろう?」


「……んん?わかった」



お互い荷物をまとめて教室を出た。


外はもう薄暗い。


あれからすぐに起こすのも悪いと思って一時間ぐらい勉強していた。



颯はまだ眠いのか大きな欠伸をしている。



「勉強はかどったか?」


「あ、うん。ありがと」



言いながら脱いだ上履きを下駄箱に入れる。