キミの一番になりたい

 


――……テスト前日。



「じゃあ、今日はここまでにしよっか」


「あー、やっと終わった」



颯は大きく背伸びをして肩を回した。



まあ、しょうがないよね。

普段は勉強しないのに、ここのトコずっと放課後は私と勉強していたんだし。




「お疲れさま。後は明日に備えてゆっくり休んでね」


「りょーかい」



颯は机の上の教科書をしまって立ち上がる。


逆に私は明日のテスト教科に関係のない教科書を開きだした。





「……何してんだよ」


「え?あぁ、物理の気になる所どうしても今日のうちに解決させたくて。
私の事は気にしないで先に帰っていいよ」




本当は一緒に勉強を始めてから昨日まで一緒に帰っていたけど、今日は明日に備えて早めに切り上げたし颯には家でゆっくり休んでほしい。



いつもの様に送ってもらうことが申し訳なくて、せめて今日だけはと私は嘘を吐いたんだ。




ーーガタンッ


「ちょ、ちょっと!?」