キミの一番になりたい

 
「風邪ひくぞ」


「そう思うなら早く戻ろうよ」


「だから先行ってろって」


「やだ」



はっきり言って今の時期に長時間屋上にいるのは厳しい。


それを気にせず寝てる颯と、負けずに隣にいる私。



一緒に屋上にいるようになってからずっとこんなやり取りを交えながら時間を過ごしてきた。


ほとんど会話はないけど、でも私は今のままで十分だった。







「よし!休憩終わりッ!そろそろ始めよ?」


「ん?あぁ、わかった」


さすがにずっとこうしているわけにもいかない。



「もう寒くなってきたし屋上いるの止めたら?」


「いいんだよ。俺の唯一落ち着く場所なんだから」



私の忠告をいつも全く聞き入れてくれないんだから。


風邪ひいても知らないぞ。



怠そうに起き上がる颯を立たせて、私は教室へ引っ張って行った。