キミの一番になりたい

 
傍にしゃがんで頬をつつく。



「……ん、なんだ、莉子か」



なんだ、じゃないし。


少しは危機感持ちなよ。




「テスト前に何やってるの?」


「休憩」


「ばか」


「ばかだし」



これ以上何を言っても授業には出なそうなので静かに腰を下ろした。





「何やってんだ?」


「え?あ、テスト勉強」



そう言って私は小さい手帳を広げて書いてある英単語を見せた。


便利だからと常にポケットに入れておいたんだ。




そうだっ!



「ねぇ、ここで勉強しよう?」


「は?」


「これあるから出し合いっこ。ねっ?」



我ながらいい作戦じゃんっ!