「圭太じゃん、おはよー。今日も朝練?」
「おう!大会近いんだ。莉子観に来いよ。
あ、嶋谷もよければ」
そう言って私に向けていた視線を理乃に向けて爽やかに笑う。
運動後の汗が朝日で光って朝練の大変さが見て取れた。
そうだ、欲しかった服買いにいこうと思ってたんだ。
私はパスだな。
「ごめ……」
「行くよ!行く‼二人で応援するし頑張ってね」
はいぃ!?
私の言葉をさえぎって、理乃が目を輝かせながら返事をした。
……理乃、もしかして。
「マジ!?絶対観に来いよなっ」
圭太は喜んで向こうにいた友達の所へ戻っていった。
「……理乃、圭太に会いたくて朝早く来たんでしょ?」
お互い圭太の後ろ姿を見つめながら私はさり気なく聞いてみた。
図星をつかれたのか理乃はしばらく黙っていたけど、急に私に向かって手を合わせた。
「お願い!一生の頼みだと思って圭太くんの試合観に行こ?」