颯っ‼
圭太の指す方へ体が勝手に動いてたけど、走り出すことはできなかった。
「け、圭太?」
腕を圭太に掴まれていて一瞬戸惑う。
「圭太……どうしたの?」
問いかけても黙ったまま地面を見つめている。
「圭……」
「そんなにアイツがいいのか?」
圭太の顔は、今にも泣きそうな辛そうな表情で息が止まりそうになる。
でもその理由がわからなくて。
「どうしたの?なんか変だよ」
ハッと我に返った圭太は慌てて私の腕を離した。
「わっ、悪い!ごめん俺どうかしてた。早く行けよ」
「でも……」
様子がおかしいのが気になって行くことを躊躇う。
「行けよ。俺は平気だから」
笑って私の背中を押す圭太。
「うん。行くね」
それに後押しされて私は颯の元へ走った。



