おばけ屋敷を出てからもたわいもない話をしながら二人で歩いていた。



ふと一組のカップルが目に入る。


彼女は小さくて可愛らしくいかにも女の子って感じだ。



私には真似できないくらいで、男の子なら皆守ってあげたくなるような子。


寄り添うようにもたれかかる彼女に、彼氏は彼女の腰を自分の方へ引いて密着した形で歩いていく。



そして二人の姿は見えなくなった。





……すごいラブラブなカップルだなぁ。


私にはあそこまでできないから彼女に感心してしまう。



やっぱりもっと素直に、女の子らしくすべきだよね。





「どうした?」



急に話かけられてハッとする。



「ううん、なんでもない。
つ、次どれ乗ろうかなー?」



なんてごまかしながらも、やっぱりさっきのカップルを頭の片隅に思い出していて。


自分からはアプローチなどほとんどしたことがないのを今さらながらに後悔していた。