そしてどんどん歩いていくと両サイドに扉が五つ見えてきた。
この内の一つを当てて進めばゴールらしい。
よかった。案外短くて。
「もう出れるみたいだな。開けるぞ」
「うん」
私は颯の後ろに隠れる。
颯が手前から順に開けようとした時だった。
ーードンッドンッ!
ーーバンッバンッ!
「キャー‼!」
残りのドアが一斉に叩かれだした。
びっくりして今までで一番叫んだ私は、思いっきり後ろから愁に抱きついた。
「おっ、おい!」
はっ!
「ご、ごめんっ‼」
気がついて慌てて離れる。
なにやってるんだ、私!
抱きつくなんてベタすぎる。
「……行くぞ」



