「……こ、莉子、おい」
「ぅ、ん?」
目をゆっくり開けると目の前には颯。
「あ、あれ?私……もしかして寝ちゃってた?」
「こんな所で寝たら風邪引く」
周りを見ると歩いてる人たちにじろじろ見られていた。
うわーっ、恥ずかしい。
「せっかく来たんだから他乗ろう」
立って私に目を向ける。
「あ、うん」
立ち上がろうとしたら上着がかけられているのに気がついた。
「これ…」
「寒そうにしてたから」
ってことは颯は薄着だってコトで、
「ごめんね?ありがと」
慌てて手渡した。
「いや」
特に何も反応せず受け取って羽織る。



