びっくりしたけど起こすと悪いので動けない。
颯は私の肩に頭を乗せて寝ているようだ。
ジュースも飲み終えたらしい、握られている紙コップは空だった。
……それにしてもよく寝てるなぁ。
隣からはスースーと寝息が聞こえてくる。
よっぽど疲れてるのかな。
そう言えば、颯って普段何してるんだろ。
自分のことあんまり話さないから実際私もわからない。
聞こうとは思うけど、自分からも言わないのに私が図々しく聞いていいものかと悩む。
幼なじみのこともあるし。
迂闊なこと言ってまた嫌われたらもう立ち直れないよ。
あれこれ考えながら唸っていると、隣の颯が身動ぎする。
起きちゃってはないよね?
しばらくこうしててあげよう。
私はそのまま目を閉じると、なんだか肩がとてもポカポカした。



