「ねぇ颯、あれ乗らない?」
私は軽い気持ちで誘ってみる。
指差すと、颯は私の指を見てからそのさす先を見た。
……あれ?
颯はジェットコースターを見たまま黙っている。
っていうか固まっている?
なんか様子が変?
「もしかして、苦手?ジェットコースターとか」
私が核心を突いたように言うと、颯はちょっと顔をひくつかせてから早口でしゃべり始めた。
「べ、別に。乗るなら行こう」
「え?いいの?」
「乗りたいんだろ?」
「そうだけど」
私は躊躇ったけど、そのまま颯はズンズンとジェットコースターの方へ。
私は慌ててついていく。
「ねっ、本当にいいの?」
再度聞いてみる。
だって無理させたくないし。



