まあ好きなんだからしょうがないっか。
圭太も断れない性格だし。
ここは黙って見守っていよう。
「じゃあ、莉子は永瀬とね?」
「えっ!?」
そうだ。
よく考えれば理乃と圭太が行動すれば必然的に私と颯が一緒になる。
「集合は18時に出口前!
永瀬、莉子を頼んだからね!」
「えっ!?ちょ、ちょっと‼」
「わかった」
私が動揺しているのも気にせず颯は答えた。
「じゃ!圭太クン、行こう?」
「二人ともまた後でな」
若干圭太の複雑な表情が気になったけど。
理乃は私たちに手を振りながら右腕はしっかりと圭太の左腕に絡ませて、二人はとうとう見えなくなった。
「…………」
「…………」
さっきまでの盛り上がりとは打って変わって、私たちは微妙な距離のまま茫然と立ち尽くす。



