私も気を取り直して颯に話しかける。
「颯も今日は来てくれてありがとう」
「あぁ」
いつにも増してそっけない返事だけど、今日の私はそんなの全然気にならなかった。
だって、私服姿の颯って初めて見るけど超かっこいいんだもん。
簡単な服装なんだけどきれいに着こなしていて、髪もワックスで軽めにしている。
せっかく颯がOKしてくれたんだから、振り向いてもらえるよう頑張らないと!
私は心の中で誓った。
しばらく四人で動物を見ながら歩いていると、理乃がとんでもない事を言い出した。
「じゃあ、ここからは別行動ってことで」
「へ?」
理乃が圭太の腕を掴む。
「圭太クン、一緒にまわろう?」
「え、……あぁ」
理乃は半ば強引に誘った。



