「うん。うちらも出かけるの中学以来だもんね」
淡い期待と楽しみを胸に秘め、お互い着くまで懐かしい話で盛り上がっていった。
で、どうしてこんな状況になっているのかというと、それは二日前にさかのぼる……
「えっ!?振られたの?」
「しーっ!理乃声が大きいってば!」
ここは教室、昼休み中。
二人で机をくっつけて窓際でお弁当を食べていた。
「なんで?」
「まだ元カノのことが忘れられないみたい」
颯のせつなそうな顔を思い出す。
まだ好きなんだろうな。
ちょっと胸がチクンとする。
「そうだ!」
理乃が思いついたように手を叩いた。



