「……ど、うし……」

「早く圭太のトコ戻れば?」



突き放した言い方に一瞬ビクッとした。


全身に針が刺さったように動けない。



そんな私をよそに結局私の目を一度も見る事なく、颯は背を向けて歩いていってしまった。




はらわれた手がやけに寂しく見える。


手の痛みより心に感じた鋭い痛みのほうがずっと辛い。




私は颯がいなくなってもそこから動くことはできなかった。








「莉子?」



後ろから近づいてきた圭太に声をかけられても答えることができなくて。


代わりに一筋の涙が流れる。






「莉子……」



圭太はせつなそうな顔で私を見ていた。









やっぱり告白したの迷惑だったのかな。


こんなことになるなら言わなければよかった。


後から後から後悔の念が押し寄せる。